田中裕子はおしんが嫌いだった?橋田壽賀子と確執説はホント?撮影中に倒れるも演じ抜いた女優根性

田中裕子 おしん
(画像出典)NHKアーカイブス

田中裕子さんは、日本のテレビドラマ史上、最も高い視聴率を誇ったNHK連続テレビ小説「おしん」の主演女優です。

しかし「田中裕子さんは”おしん”が嫌いだった」「脚本家の橋田寿賀子さんと確執していた」という噂もあります。

このブログ記事では、田中裕子さんと橋田壽賀子さんの不仲節の真相と、田中裕子さんの「おしん」撮影中のエピソードおしんブームのものすごさを紹介します。


★田中裕子(たなか・ゆうこ) プロフィール

田中裕子 紫綬褒章 2010年
田中裕子さん 2010年(画像出典)日本経済新聞
  • 本名:澤田裕子(さわだ・ひろこ) ※旧姓:田中
  • 生年月日:1955年(昭和30年)4月29日(2022年で67歳)
  • 出身地:大阪府池田市
  • 身長:160cm
  • 血液型:B型
  • 家族:沢田研二(夫)
田中裕子 おしん
おしん撮影中の田中裕子さん(画像出典)日本経済新聞

田中裕子さんがおしんを演じたのは28歳のとき。その20数年後にインタビューで、次のように語っています。

あのドラマを撮った8カ月の間、ずいぶん苦労しました。正直に言いますと、当時、私はまだ演じることの楽しみが分からなかったのです。ですから、『おしん』は辛かったという思い出しか残っていません。もちろん、『おしん』がアジアに大きな影響を与えたことは知っていますが、私にとっては演じたことのある役のひとつという位置づけで、特別な思いはありません。

2010年3月12日 チャイナネット「おしんが戻ってきた!①西太后役は忘れられない」

田中さんは、当時の文学座でも屈指の実力を持つ女優でしたが、演じることが「わざわざなもの」に感じられて、ぎくしゃくしていたそう。

やっと演じることを楽しめるようになったのは、50歳頃からとおっしゃっています。(※1)


「おしん」脚本家の橋田寿賀子さんも、2020年のインタビューで40年近く前のできごとを振り返り、「セリフは長いし、あの役嫌いだったんですって。はっきり言われました」とおっしゃっています。

橋田壽賀子 1983年
橋田壽賀子さん 1983年(画像出典)NHKアーカイブス

橋田さんは田中さんに後で謝ったのだとか・・・

橋田さんは、「でも、わかります。あの人の中にああいうおしん的なものはまったくないんです。マイペースな方ですからね。役にすごく抵抗があったみたい。それはよくわかります」と、女優としての田中さんに理解を示しています。(※2)

★おしん全297話のあらすじが20分で読める!超ざっくり解説はコチラ↓↓↓

演技に一球入魂な田中裕子さんは、特に若い頃は手を抜くことを知らず、肩肘を張った感覚だったようです。

そんな田中さんにとって、長期間にわたる「おしん」の撮影は大変な苦労で、「おしん=つらかった」という記憶になっているようです。

また、貧しさにも不幸にも耐え忍ぶという「おしん」は、田中さんの性格と大きく異なり、感情移入できなかったようですね。そのため、あれほどのブームになった作品であるにもかかわらず、「特別な思いはない」ということになっているようです。



田中裕子と橋田寿賀子の不仲・確執はホント?

NHK クローズアップ現代 橋田壽賀子
執筆中の橋田壽賀子さん(画像出典)NHKクローズアップ現代

橋田壽賀子さんは、日経新聞の連載「私の履歴書」で、次のように語っています。

これまで秘密にしていたのだが、大人になってのおしん役、田中裕子さんは、私とは言葉を交わさなかった。目も合わさなかった。多分、脚本ができる前に仕事を受け、いざ始まってみると役柄が気に入らなかったのだろう。なのに田中さんは見事にというか、スタッフの期待以上のおしんを演じてくれた。それでこそ本当の名優だ。

おしん収録中、作家の林真理子さんがNHKで田中裕子さんを見かけたとき、会釈しても無視され、精神的に追い詰められていて全く余裕がない様子だったそうです。(

田中さんは「おしん」に感情移入できず、さらに厳しい長時間の撮影で心身に余裕がなく、橋田壽賀子さんに礼儀を欠く結果となったのでしょう。

橋田壽賀子の脚本は大変!長いセリフが多くアドリブ許されず

渡る世間は鬼ばかり
代表作の「渡る世間は鬼ばかり」(画像出典)ザテレビジョン

橋田壽賀子さんの脚本は「セリフが長い」ことで有名で、たくさんの役者さんがエピソードを語っています。


俳優の渡辺徹さん「橋田先生の台詞はなんでいつも長いのですか?そして同じ事をなぜ何度も繰り返すのですか?」と質問すると・・・

渡辺徹
俳優・渡辺徹さん(画像出典)NHKアーカイブス

橋田さんは「主婦はテレビの前に1時間ずっと座っていられないもの、だから耳で聞いてもわかるように、そして途中用事で離れても、テレビの前に戻ってきた時に内容についていけるようによ」と丁寧に答えられたそうです。(※1)


橋田壽賀子さんの代表作「渡る世間は鬼ばかり」に出演していた女優・藤田朋子さんは、「渡鬼の収録は、舞台のお稽古のようだった」と語っています。

藤田朋子
女優・藤田朋子さん(画像出典)中日新聞

通常テレビドラマは、短くカットしながらワンシーンずつ撮影し、後で編集をします。

しかし渡鬼は5分、10分のシーンがザラ!コマーシャルからコマーシャルまで1回もカットせずに、1つのシーンとして収録するときもあるそうです・・・

セリフは長く、所作(動き)も細かく指示されていて、ドラマでは珍しく必ずリハーサルをして綿密に稽古を行うのだとか。

なので、アドリブが入る隙は全くないし、言い回しを言いやすく変えるということもないそうです。(※2)

橋田壽賀子さん自身も、作家・林真理子さんとの対談において、「(俳優に)書いたとおりにちゃんと言え!って言います」と語っています。(※3)


「おしん」で田中裕子さんの夫役を演じたのは、文学座で田中さんと同期の俳優・並樹史朗さん

並樹志朗
俳優・並樹志朗さん(画像出典)MOOVIELIVE

並樹さんは、収録時の様子を次のように振り返っていました。

覚えるのが本当に大変で、裕子さんに「台詞(覚えるのが)大変っすよ」って言ったら、「並樹くん、こんなにキツい仕事はそうないから」と慰めてもらいました。それでも、台詞の量が多すぎて、ストレスが溜まる。何やってても台詞が頭から離れないんですよ。




橋田さんを母のように慕っていた女優の泉ピン子さんは、公私ともに橋田さんと仲よくされていました。

泉ピン子
女優・泉ピン子さん(画像出典)毎日新聞

ピン子さんは橋田さんの入院中に、「本当に(せりふが)長い」「橋田長子」などと軽口をたたいて、橋田さんを笑わせていたそうです。

橋田さんはその後2021年(令和3年)4月4日に、熱海の自宅でピン子さんに看取られて、急性リンパ守のため95歳でお亡くなりになりました。(※4)



「おしん」撮影中に倒れた田中裕子

橋田壽賀子 小林綾子 乙羽信子 田中裕子
左から橋田壽賀子さん、小林綾子さん、乙羽信子さん、田中裕子さん(画像出典)文春オンライン

橋田作品の現場は、本番前にお茶を飲みながら役者同士が会話するような余裕もなく、ひたすらセリフを覚え続けるのだそうです。

田中裕子さんは出ずっぱりでしたから、撮影のない日も台本を覚えなければならず、休む間もなかったようです。

また、小林綾子さんが演じた少女編の視聴率がどんどん上がっていったので、それを受け継ぐ田中裕子さんには、強烈なプレッシャーがかかっていたことも想像されます。


ある日の撮影中に、夫役の並樹史朗さんの前で、田中裕子さんは突然気を失いました

パタリと倒れた田中さんは共演者に抱えられ、間もなく救急車が来てそのまま入院。

しばらくの間絶対安静となったため、撮影は1ヶ月休止になりました。(


1983年8月15日からの8月20日まで、通常の朝ドラの時間帯に「もうひとりのおしん」というドキュメンタリーが放映されましたが、これは田中さん入院の穴埋めをするために急遽制作された番組でした。田中さんの入院は、視聴者には知らされなかったそうです。

★田中裕子の若い頃と女優になった理由は↓↓↓

オシンドローム(おしん症候群)と呼ばれたほどのすごいブーム

小林綾子 おしん
最も有名な、おしんが奉公に出され筏で川を下るシーン(画像出典)NHK

「おしん」は放送が始まると、小林綾子さんの熱演が評判になり、あっというまに大ブームになったそうです。

平均視聴率はなんと52.6%。そして、日本のテレビドラマ史上最高視聴率である62.9%を記録したのは、田中裕子さんが出演している回でした(第186回)。


このブームの凄さを物語る数々のエピソードを、橋田壽賀子さんが日経新聞の連載「私の履歴書」に書いています。(

  • NHKに数千通の手紙が寄せられた。内容はいずれも、おしんへの同情や過去の自分と重ねるもの
  • おしんの奉公先・山形県酒田市に、団体がバスを連ねて押しかけた
  • 酒田駅前に、赤ん坊を背負った「おしん像」ができた
  • おしんの母親の出稼ぎ先、山形県・銀山温泉の旅館では、ドラマに登場した「大根めし」がメニューに加えられ、各地でおしんの名を付けたお土産物が登場した
  • 民謡歌手・金沢明子が歌う「おしんの子守唄」というレコードが発売された(※B面は「おしん音頭」)
  • 衆議院の議院運営委員会に「おしん後援会」が発足した。
  • 小林綾子は文部大臣の部屋に呼ばれた

放映当時の総理大臣・中曽根康弘氏「おしん、康弘、隆の里」と、混迷する政局を耐え忍ぶ自分の姿を表現したり・・・

中曽根康弘
中曽根康弘 元総理大臣(画像出典)クーリエ・ジャポン

中卒で総理大臣にまで昇りつめた田中角栄氏「俺は男おしんだ」と発言したり・・・

田中角栄
田中角栄 元総理大臣(画像出典)週刊現代

戦後の混乱期をくぐり抜けた企業の創業者などもおしんに心酔し、ブームは政財界にまで及んだのでした。

そして昭和天皇までも「おしん」を見て、「ああいう具合に国民が苦しんでいたとは、知らなかった」と感想を述べたのだそうです。

アメリカ人記者のジェーン・コンドンが、この現象を「オシンドローム(=おしん症候群)」と命名してニュース雑誌「タイム」紙に記事を書き、「オシンドローム」は1984年の第1回新語・流行語大賞の新語部門・金賞を受賞しました。

★中東やアジアで視聴率80%超え!海外のおしんブームについては↓↓↓

田中裕子の「おしん」は再放送禁止だった!?

小林綾子 おしん
おしん少女期を演じる小林綾子さん(画像出典)NHKアーカイブス

そんな大ブームを起こした「おしん」は、終了後も再放送のリクエストが多く、放送終了後まもない1984年夏に再放送されました。

しかしオンエアされたのは、小林綾子さんが演じた少女期のみ

小林綾子さんが登場したのは36回までで、全297話中189話、およそ3分の2でおしんを演じたのが田中裕子さん

しかし、田中裕子さんが所属していた文学座の許可が下りなかったため、おしん成年期以降の再放送は叶いませんでした。

文学座が、田中裕子=おしんというイメージが固定してしまうと、他の役を演じにくくなり役者として幅が狭くなることを危惧したのではないかと言われています。

2003年以降、やっと田中裕子さんの「おしん」も再放送ができるようになりました。(

世間の評判

2019年(令和元年)に「おしん」がNHKBSで再放送され、「#おしんチャレンジ」というハッシュラグのついたSNS投稿が活発になりました。

幼少期のイメージしかなかったけど、若い時の田中裕子の可憐さ、成長して強くたくましくなっていく姿が素晴らしかった。今の田中裕子でおしん老年期が観てみたいな。

https://twitter.com/peanuts_honey/status/1241137221165436928

74話75話での激オコモードの田中裕子おしんは最高です。

https://twitter.com/UnchinoSnufkin/status/1359858409999273987

橋田壽賀子がどんな人やったかは知らんけど、田中裕子のおしんは凄い。おしんは三人の役者で時代事に交代で演じてたけど、田中裕子の時のおしんが話的にも演技的にもピーク。マジでおもしろい。その後の老後おしんは渡る世間~に繋がるようや嫁姑問題がメインになるので説教くさくてあまり面白くない。

https://twitter.com/daiki_over_buda/status/1379078719151599624

田中裕子のおしん。怖い色気があって惹きつけられるよな。

https://twitter.com/CHOLOSUNA/status/1393581318588358658

田中裕子おしんから乙羽信子おしんに代わり渡鬼風味が出てきたので録画も未視聴。脱落しそう。

https://twitter.com/ebiko_/status/1211179358993338368

1年間おしんを見続けたけど。1番良かったのは田中裕子おしん。現爺と竜三も良かった。あの3人の時代が1番幸せで見てて楽しかった。三代目おしん になってからは正直共感できない部分多かったし見てて覚めてきてつまらなくなった。

https://twitter.com/mailly1021/status/1241586550887989248

録画してあった朝ドラ同窓会をようやく見た。裏話や苦労話が聞けて面白かったな。方言や長台詞、撮影環境までほんとに大変だったんだね。これ見てるとまたおしんが観たくなる。田中裕子さんのおしんに対して泉ピン子さんが「これは素晴らしい」と言ったのが嬉しかったな。

https://twitter.com/roku_onomachi/status/1242367164083929088

あなたが好きな80年代の朝ドラヒロインは?→「田中裕子(おしん)」に投票しました!斉藤由貴と迷ったんだよ…でもきっぷの良い啖呵や泥水に塗れて苦しむ演技が忘れられないんだ…

https://twitter.com/takoyakimambo/status/1359479374119018497

「おしん」「田中裕子」美しさ、可愛らしさ、色っぽさ、ドス、儚さ。全てを兼ね備えた最強ヒロインです。

https://twitter.com/suzumeti/status/1437186452090077189

田中裕子さんの「おしん」は、40年近く経っても見る人の心を動かし、絶賛されています!

★田中裕子についてはコチラの記事も…↓↓↓

まとめ

この記事では、田中裕子さんと橋田壽賀子さんの不仲節の真相と、田中裕子さんの「おしん」撮影中のエピソード、おしんブームのものすごさを紹介しました。

田中裕子さんは「おしん」が好きではないようですが、それでも演じきって最高視聴率をたたき出し、未だに評価が高いのはすごいです。

橋田寿賀子先生が言ったとおり、田中裕子さんは「本当の名優」なのでしょう!

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